3月13日付の信濃毎日新聞
信濃毎日新聞の14面「くらし」の紙面にケイスケさんの記事が紹介されました!
ちょっと文字が小さいので書き起こしますね。
障害ある人のリハビリ・社会参加を促進
サーカス技術の練習や習得を、社会的(ソーシャル)な課題の解決に生かす「ソーシャルサーカス」という取り組みが始まっている。松本市のサーカスアーティスト、金井ケイスケ(本名・圭介)さん(47)はNPO法人「スローレーベル」(横浜市)と共に、障害のある人のリハビリや社会参加を促すプログラムを開発してきた中心人物の一人だ。取り組みのきっかけや魅力について聞いた。(上野啓祐)
松本の金井さんに聞く
「施設では『楽しかった。またやりたい』という声が多かったのに、会場には誰も来なかったんですよ」
この失敗が始まりだった。
金井さんは2014年、障害のある人とアーティストをつなぐ「スローレーベル」(栗栖良依理事長)に声を掛けられ、横浜市内でサーカスのワークショップ(体験型講座)を企画。パントマイムやダンス、ボールやひもなどの小道具を使った技を一緒に楽しむ内容で、参加を呼び掛けるために福祉施設に出向いた時は盛り上がったが、当日は参加者が来ず、がらがらだった。
「(障害者自身が)自力で会場に来るのは、めちゃめちゃハードルが高かったんです。周りの協力がないと難しかった」
交通の問題もあるが、「(もし講座で)何かあったら・・・」という本人や保護者の不安が壁になっているようだった。そこで看護師資格を持ったスタッフを配置したほか、希望者の体の状況や普段の様子などを詳しく聞き、1人で休める部屋を会場に設けるなど、必要な備えをするように。次第に参加者が増え、舞台発表もできるようになった。
この手法は、16年のリオデジャネイロ・パラリンピック閉会式で披露したショーにも生かされた。金井さんも協力し、障害のある演者たちが、日本から約30時間も飛行機に乗り、慣れない外国で大舞台に立った。
◇
「障害のある人とない人が一緒の舞台に立ったのが、リオの新しさでした」
こう話す金井さんは、リオのショーで、車椅子の女性ダンサーの「アカンパニスト(伴奏する人)も務めた。ただの介助者ではない。相手の特技を生かし、より見応えのあるパフォーマンスをつくり出す役割だ。金井さんは、女性を持ち上げてポーズを決めるという演技に挑戦した。もしも落ちてしまったら・・・、そんな不安を2人で乗り越えた。
「障害のある人は、障害以上に、自分の中で限界を決めてしまっている場合があると思う。『あなたは何もできない。守られるべきだ』と、過保護にされてきたからではないでしょうか」
金井さんは、ワークショップの参加者が、どんどん前向きになっていくことに驚いた。リハビリの効果もあったが、それ以上に、一人一人の”障害”は、舞台で映える個性に思えてきた。
「それを生かすも殺すも、周りの人たち次第。(舞台の)創作では、その人たちから何を引き出すのか。そこが面白くもあり、僕にとっては挑戦なんですよね」
◇
こういった取り組みを進めることは、障害のない人にも効果がある。例えば、ソーシャルサーカスを取り入れた企業研修を行うと、社員の”社会性”が向上するという。
障害のある人と一緒に即興で作品を作って発表するという内容で、障害のある人が講師を務める場合もある。車椅子の人、目の見えない人、耳が聞こえない人・・・・。参加者は、さまざまな特性のある人たちとのコミュニケーションが求められる。
「いわゆる健常者は、『自分は社会性を持っている』と思っていますが、それは会社内のしきたりとか、社会の礼儀みたいなものにすぎないのかもしれません」と金井さんは言う。「もっと多様な人々が集まった時に、それを超えられるかどうか。それが本当の社会性だと思います」
取り組み 海外で先行 貧困層や難民支援に活用
ソーシャルサーカスの取り組みが海外で先行しており、主に、貧困層や難民、少数民族、虐待を受けた若者のなどの支援に活用されているという。金井さんは昨年秋、チリやアルゼンチンなど、南米諸国の取り組みを視察。2月上旬に都内で開いた関連の催しで報告した。スラム街の若者への就労支援や、女性の地位向上に役立てている例もあった。
栗栖さんとの対談で「なぜサーカス(が有効)なのか」と問われた金井さんは、中学生時代、大道芸を初めて見て感動したエピソードを紹介。「外国人の芸人は、観客と言葉を交わさない交流をしていた。同じように、サーカスは誰とでもつながりオープンになれる」と話した。
この活動がますます盛んになるといいですね!
これからの活躍も期待しています♪
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